#038

  雪に埋もれかけた「海抜三七二米」の標柱。列車はここ只見駅で小休止を挟む。駅舎は木の板で囲われ、冬本番に備えている。

  豪雪地帯をゆく只見線。列車の歩みは遅く、只見川に沿って遡りつつ、会津若松から100km弱に三時間をかけて、ようやくここまでたどり着いた。雪の少ないこの冬、ここにはそれなりに積雪があるが、本来はこんなものではないのだろう。塗装のはげかけた標柱が、その過酷さを物語る。

 

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