菊水山駅 休止前レポート

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 菊水山駅「休止」について

  2005年3月26日のダイヤ改正に伴い、神戸電鉄有馬線菊水山駅(鵯越〜鈴蘭台間)が営業を休止することになりました。同電鉄としては、1975年6月の新有馬駅(有馬口〜有馬温泉間)以来の営業休止となります。

  菊水山駅は1940年に開業、標高173m。鵯越から鈴蘭台にかけての山越え区間の中間に位置し、もともと周辺に民家などは皆無で、主にハイカー向けの駅でした。このため長らく、新開地〜鈴蘭台・西鈴蘭台間運転の普通列車に限って停車するダイヤとなっていました。

  しかし2003年6月の改正で菊水山停車の列車は大幅に削減されました。全駅自動改札化やワンマン運転を拡充するにあたって、利用者の減少する菊水山駅を特例で存置するには限界があり、休止は時間の問題となっていました。

  2005年6月、有馬・三田線を含めた全線でワンマン運転が行われることになり、それに先だって菊水山駅が休止されることが決まりました。新有馬と同様、かたちのうえでは「廃止」ではなく「休止」扱いですが、将来の復活を想定しているわけではなく、手続き上の理由によるようです。


あちこち塗装が剥げ、錆びも浮いている菊水山駅名標

 2005年3月20日 訪問レポート

  私はこれまで、菊水山で乗車・下車したことはありませんでした。休止までに一度はと思いつつその機会になかなか恵まれず、それがかなったのは、休止まで1週間を切った3月20日のことでした。

  新開地行きの列車で、夕方の菊水山駅に到着。ホームには数名の「同業者」の姿が。

  ホームは5両分ありますが、新開地寄りの端の方は木製の仮ホームのような造りです。

  滞在していた約30分間に来た列車は、すべて通過。警笛を鳴らしながら通り過ぎてゆきます。山の中なので大してスピードは出ていないのですが、ホームが狭いぶん、通過時にはそれなりに迫力があります。

 

  駅から鈴蘭台方を望む。左側のトンネルは、1995年9月までの旧線跡。周辺のダム建設に伴い、現在の線路に付け替えられました。

  駅が建っているのはこんな場所です。新開地からわずか5kmほどのところに、こんな「秘境」めいたところがあるのです。

  この道が、駅に上がってゆく唯一のルート。まさに、登山道の延長上に駅があるという感じです。

  駅舎はなく、上りホームにひさしがあるのみ。いまや他のすべての駅に設置された、自動改札機も自動券売機もありません。

  上り(新開地行き)の時刻表。平日12本、休日10本のみの停車でした。

  ちなみに、以下が下り(鈴蘭台方面行き)の時刻表。平日18本、休日13本。なぜか上りと比べると多めの本数です。

平日 土・休日
7 28 50 29 55
8 14 31 41 57 09 40
9 14 45 00 45
11 13 13
12 19 19
14 19 19
16 26 26
17 28 47 28
18 16 33 33
19 17 31
20 01 --

  最後に、掲示されていた休止の告知。写真は平成17年3月付のものですが、なぜかこの左側には、同じ文面の、これより小さいもの(16年12月付)が張られていました。

  菊水山に隣接する、鵯越・鈴蘭台両駅の駅名標を見ると、「菊水山」はステッカーで張られた状態でした。3月25日の運用終了と同時にこれが剥がされるとともに、菊水山駅は過去の存在となるでしょう。各駅で見られた、「菊水山には停車しません」の案内も、終わりを告げることになります。

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