#100

  盆を過ぎると、稲穂が黄色みを帯び、空の青色も変わってくる。やはり、視覚面で最も如実に季節の変化を表すのは、「色」という要素だと思う。

  一方のこの車両。もとの働き場がなくなり、およそ1年のブランクを経て、新天地での活躍を始めた。会社は代わったが、車両の色は変わらなかった。北条鉄道は当分、このデザインのままで使い続けるという。

  1999年生まれのミキ300-104、改めフラワ2000-3。カラーリングに亡き鉄道の歴史を背負いつつ、四季の移り変わりの中、変わらぬ歩みを続けてゆく。そしてそれがすなわち、新たな歴史を刻んでゆくことになるのだ。

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