路線紹介

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 姫路→播磨新宮

  西播磨においては、ほぼ北から南に市川・揖保川・千種川が流れ、それぞれの流域に町が点在しています。このため、姫路を出た姫新線は、北西にまっすぐ進まず、西→北→西・・と階段状に針路を取っているのが特徴です。

  山陽新幹線・山陽本線(JR神戸線)・播但線が接続する姫路駅が姫新線の起点。2008年12月22日から姫新線ホームは高架に移りました。1本のホームの東を播但線(1,2番)、西を姫新線(3,4番)で共用しています。3番線は行き止まり、4番線は神戸方面に直進しており、播但線2番線にも入れる構造です。高架化前は、北改札正面の1番線、および西側の欠き取りホーム0番線から発着していました。

3番線から折り返す姫新線列車 

  姫路を出ると山陽電鉄線をまたぎ、いったん山陽新幹線の下をくぐって、山陽本線と別れ、地平へ下ってゆきます。北側へカーブして再び山陽新幹線をくぐり、市街地郊外を進んでいって播磨高岡へ。国道2号をくぐり、夢前(ゆめさき)川を渡って余部(よべ)。同じ表記で、山陰本線に「余部(あまるべ)鉄橋」がありますが、その最寄りの「あまるべ」駅は、既にあった姫新線余部との混同を避けるためか、「餘部」の字が当てられています。ラッシュ時を中心に、姫路〜余部間の区間運転列車も設定されています。

余部駅の手前で夢前川を渡る 

  これより向きを西に転じ、両側に小山が近づきます。間の「長池」のほとりに、姫路鉄道部の車両基地が設けられています。姫路駅周辺の高架化に伴って移転してきたもので、現在ここが姫新線姫路口の車両のねぐらとなっています。

  軽く山を越え、国道29号のバイパスをくぐると太市

田園部に位置する太市駅 

  トンネルで山を越えて姫路市からたつの市に入り、山陽自動車道をくぐります。たつの市街部へ向かって下り、林田川を渡ると北に向けてほぼ直角にカーブし、本竜野駅へ。2010年の高速化完成にあわせて、橋上駅化されました。朝の上り1本だけ、本竜野から姫路までノンストップで走る列車がありましたが、2010年3月改正でスピードアップと引き替えに普通列車化されています。

林田川を渡る 

橋上化された本竜野駅 

  たつの市街は揖保川沿いに位置し、駅対岸の川西側に龍野城跡の龍野公園があり、麓には古い町並みが残されています。山陽本線の竜野駅はかなり下流側にあり、以前は龍野市ではなく、揖保川町に属していました。山陽本線ができた当時、地元の反対があって龍野市街地を通せなかったためらしく、今では合併により揖保川町もたつの市内となっていますが、同市の中心駅として扱われているのは依然、姫新線の本竜野駅です。

  しばらくは揖保川に沿って北上します。東觜崎(ひがしはしさき)を過ぎると、西にカーブしてトンネルをくぐり、抜けるとすぐに揖保川の鉄橋にさしかかります。ここから北、揖保川東岸には絶壁が連なり、天然記念物に指定された「觜崎屏風岩」という景勝地があります。

岩場をくぐり揖保川にさしかかる 

  揖保川の西側に移った後しばらく、引き続き川に沿って北上した後、西に折れて播磨新宮に。3線を有する駅で、こちらも駅舎の橋上化工事が進行中。2012年3月に試験増便が終了しましたが、結果的にここ播磨新宮まで日中概ね30分おきの運転となりました。これより先、播磨新宮〜佐用(上月)間は1-2時間おきの運転。以前はこの先、月一度の運休がありましたが、現在では解消されています。

橋上化工事中の播磨新宮駅 

改築前の駅舎 

 播磨新宮→上月

  揖保川に背を向け、列車は山間へと向かってゆきます。

千本駅手前の直線区間 

  千本は簡素な構造で、初めての単線駅となります(かつては交換可能駅だったよう。)川沿いの谷間を西から北へ転じて西栗栖へ。なお、ここからわずか数キロの位置(南西側の高台)に、放射光実験施設「SPring-8」などを擁する「播磨科学公園都市」がありますが、姫新線沿線は、そんなことを微塵も感じさせない田園風景です。

  トンネルで峠を越え、佐用町へと入ってゆきます。谷を下り、三日月へ。無人ですが駅舎は新しいものになっています。このホームから佐用方面を望むと、正面の斜面に三日月型の植樹が施してあるのが望めます。

三方里山公園の三日月をバックに 

  千種(ちくさ)川を渡って播磨徳久(はりまとくさ)。交換設備が廃され寂しいホームです。この周辺では夏の時期、「南光ひまわり祭り」が行われ、数多くのひまわりが咲き誇ります。

  トンネルで佐用峠を越え、抜けると北側から智頭急行の線路が沿ってきます。並走して佐用の中心地へ向かい、佐用駅へ。駅名は「さよ」ですが地名は「さよう」です。

  佐用駅では智頭急行と姫新線がそれぞれ島式ホームを有しており、見かけ上は2面4線ですが、相互に線路のつながりはありません。姫新線列車は、大半がここで(一部は上月で)姫路方面列車と津山方面列車の接続を図ります。(ただし、姫路側・津山側それぞれのダイヤ編成を優先させているのか、佐用を境とした東西の流動が少ないのか、日中の接続は概して悪い。)ホームは津山寄りがキハ120に合わせて従来の高さなのに対し、姫路寄りは嵩上げされ、下の写真のようにずらして停車する格好になっています。なお、智頭急行のホームは真横に並行していますが、列車は姫新線とは逆に、姫路・上郡方面から来た列車が西から入る構造となっています(ページトップの地図参照)。

佐用駅で、津山方面行き(左)との接続 

  かつて、姫新線を経由した急行「みまさか」などは、姫路から佐用までを1時間弱で結んでいました(停車駅は本竜野、播磨新宮)。高速化前は直通する普通列車で70分前後でしたが、高速化以降は最速59分(2013年時点のダイヤでは60分)となっています。なお、智頭急行経由の特急「スーパーはくと」だと35分程度。距離としては遠回りですが、このあたりはバイパス線の強みでしょう。

佐用の先で姫新線(左)と智頭急行線が分かれる 

  佐用を出てしばらくは智頭急行と並走しますが、その先で下をくぐって別れ、佐用川に沿ってしばらく進みます。兵庫県最後の駅となる上月(こうづき)は、特産物直売所を併設した駅舎。(ここは国道179号と373号の合流する三叉路が近く、「道の駅」的な役割を兼ねています。)ホーム自体はひっそりしており、一部列車がここで接続をとるダイヤとなっています。姫路方面からの列車がこれより先に入ることはありません。

物産店を兼ね、りっぱな駅舎の上月 

  この先、姫新線は峠を越え、岡山県へ入ってゆきます。

 

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