中京近郊用。新快速として初の120km/h運転を実施
静かで安定した走りは一級品だった
登場:1989年
在籍:

  記載内容は2015年5月現在。
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 中京新快速 驚異のスピード

  国鉄末期から京阪神と中京の東海道本線にはそれぞれ117系が投入され、名古屋近郊では1989年から「新快速」として運転されました。民営化後の1989年にさらなるてこ入れとして、JR西日本は221系、そしてJR東海は311系を投入しました。

  311系は車体はステンレス、JR東海色であるオレンジの帯をまとっています。近郊用として最初に120km/h運転を開始しました。

  当初は117系を置き換える格好で新快速を中心に投入されました。名古屋〜岐阜間で1駅(尾張一宮)に停車しながら表定速度が100km/hを超えていた時期もあり、平坦な濃尾平野にあって何物にも妨げられることなく、がんがん突き進む走りを見せていました。

中京の「新快速」として活躍 

311系車内のようす 当時は車内にカード式公衆電話があった 

 走りへのこだわり

  311系のすばらしいところは、そんな猛スピードでも乗り心地が非常に安定しており、静かであるということです。無理矢理速く走っているという感覚はなく、安心して乗っていられます。特急車両と比べても何ら遜色ないでしょう。

  内装は白基調で、明るくこざっぱりして幾分安っぽい印象を受けますが、それだけ機能性を重視しているともとれます。車両編成は4両が基本。名古屋近郊ではかなり混み合います。

  そもそも関西と中京圏に新快速が登場したのは、特に対私鉄戦略のためでしたが、東海の場合のライバルは豊橋〜岐阜間で並行する名鉄です。その競争のハイレベルさを目の当たりにしたのは、上り豊橋行き新快速に乗車していたときのこと、尾張一宮付近で併走する名鉄特急(同じく豊橋行き)とデッドヒート。こっちもめいっぱいのスピードで走っているのに、向こうもしっかり付いてくる。最終的には新快速が名鉄特急に抜き去られてしまいました。

  1999年以降は313系が新快速の主力となり、その後も313系の増備が進められたことにより、現在一部を除き311系の新快速運用は存在せず、普通列車としての運用が主体となっています。西日本の221系と同じく、JR世代の近郊タイプの方向性を確立し、汎用型となった次世代への橋渡しとなった車両です。

普通列車の運用に 

 

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