#016

  鉄道ほどに「定時性」が重んじられる交通機関は他にないと思う。その表れとして、駅舎やホームには大抵、見やすいスタイルの時計が掛かっているものだ。

  この函館駅は、駅舎の正面に大きな丸時計が埋め込まれ、駅そのものが時計台のようになっている。周りに広告看板が騒がしく立ち並んでいるが、それらに負けない存在感を醸している。

  夜行快速「ミッドナイト」で到着し、函館市場で朝食を済ませた後に戻ってきた今、柔らかな朝日に照らされた時計の針は7時50分を指している。これから乗る快速「海峡」は8時04分発。駆け足で辿った北海道を、この列車で後にすることになる。

  なおこの駅舎は、2003年に建て替えられた模様。

 

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