#019

  大阪・青森間、昼間に走る特急としては最長の約1,400kmを走る「白鳥」。ほとんどの特急が細分化されていった中で、かつての「特別急行」の貫禄を残す列車であった。国鉄時代からほとんど姿を変えないボンネット型の特急車両が、その務めを任されていた。

  しかし伝統とは、新陳代謝のない古くささと紙一重である。「白鳥」も時代の波には抗えず、2001年3月に廃止されることになった。

  残り1ヶ月を切った休日、大阪駅の11番ホームには、そんな「特別急行」の姿を求める人だかり。はるか「青森 FOR AOMORI」の文字が旅情を誘う。その青森に達するのは13時間後。長い旅を前に、列車は大勢の注目を一身に集める。

 

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