#025

  ピリッとした氷点下の夜明け。明るさを含み始めた空はひたすらに青く澄んでいる。盛岡から旧式のディーゼル車に乗り、雪国の旅を始める。

  西の丘の向こうに、輝く山が姿を現す。標高2,000mを超す岩手山。冷たいブルーの世界の中、そこにだけ朝日が当たり、スポットライトを浴びているかのようだ。まだ半分は雲に隠れているが、これから晴れてくるのだろうか。旅の‘開幕’にふさわしいお出ましだ。

 

トップ > 活動写真 > 十年の旅百景 > #025