#026

  レールがまるでスキーのシュプール(軌跡)のようだ。線路の雪を巻き上げ、入ってきたのは3両の普通列車。古びたディーゼルカーだが、エンジンを強化しているので、見た目よりも足取りは軽い。

  途中下車した安比高原駅は花輪線の最高点駅であり、標高504m。スキーリゾート地の玄関口らしいが、駅前からきれいに除雪された道が伸びるばかりで、周辺にはほとんど何もない。人けのなさに寂しさを覚えだした頃、カーブの先から颯爽と姿を現したのがこの列車。

 

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