ゴールデンウイークただ中の京都は、初夏を思わせる暑さだった。そして時節柄、人も多い。こんな日に嵯峨野の観光トロッコに乗ろうとは、無謀だったか。
トロッコ亀岡駅の狭いホームに行列を作り、ようやく乗り込んだ満員のトロッコ列車。足下にごつごつした振動を伝えながら、保津峡をゆっくりと進んでゆく。窓ガラスを介さずに見る保津川の流れ、新緑の色がすがすがしい。これが「風を感じる」という体験か。
川には急流下りの小舟。今日はフル回転だろう。列車はトンネルへの出入りを繰り返しつつ、舟が下ると同じ方向に進んでゆく。
