#045

  中国地方を縦走する芸備線。並走する中国自動車道を横目に、山間部ではわずかな本数の列車が行き交うローカル線である。

  岡山県の新見から、谷を進み、広島県に入ったところがこの東城。これまで辿ってきた中では比較的まとまった街だが、列車で訪れる人は多くない。駅前から広島方面へと出ているバスの方が、はるかに便利なのだ。

  そんな東城駅だが、先へ進むのに列車を乗り換えさせられる。わざわざ跨線橋を渡って、1両編成から1両編成への乗り継ぎだ。長いホーム、右側のヤード跡地らしきものは、かつてはここも鉄道の拠点として栄えていたことの証だろう。この先、芸備線は道後山を越えて備後落合へと向かう。

  現在、この右側のホームは使われていないとのこと。つまり、東城駅もホーム1本で事足りる駅になってしまったということだ。

 

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