#052

  新潟から観光快速「きらきら・うえつ」で羽越本線を北上する。越後平野が尽き、村上を出ると日本海が間近に近づく。「笹川流れ」と呼ばれる、奇岩と砂浜が入り交じる海岸。沖合には「粟島」が横たわっている。

  空は暗いが、冬らしい荒ぶる日本海ではなく、何となく拍子抜けというか、違和感を覚える。列車はカーブとトンネルの出入りを繰り返しつつ、淡々と進んでゆく。並行する国道を通る車の姿もわずかだ。

 

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