#054

  雪の夜の翌朝。空は晴れ、一面の新雪がまぶしい。山々も、粉をまぶしたように雪化粧している。

  太平洋に面するこの女川(おながわ)。石巻線の終着駅から歩き、海に出る。ありふれた入り江の漁港だが、その「色」の妙に息を呑む。澄んだ空は淡い青、深みを帯びた海の青、そして白銀の雪景色。寒色の中のコントラストが、何気ない風景をぐっと引き締める。

 

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