#063

  九州で過ごしてきた長い一日も、まもなく日没を迎える。鹿児島・阿久根に近い牛ノ浜。駅前の国道3号から、海岸へと降りることができる。夕方を迎えたが日差しはまだ強く、熱を帯びた潮風がまとわる。この写真にはないが、西側の水平線上には、夕日に霞む甑(こしき)島の姿が認められる。

  鹿児島県の北端である出水(いずみ)に母の実家があり、帰省の折にはここ牛ノ浜の海水浴場にも何度か連れてきてもらった。乗ったことはないが、この「南国バス」のバス停も馴染みのあるものだ。私にとって薩摩は、第二の故郷ともいえる地である。

 

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