#065

  錦江湾にぐるりと囲まれ、海の上にその稜線を描く桜島。押しも押されぬ鹿児島のシンボルである。

  麓から中腹まではなだらかな傾斜だが、その上はゲンコツのような荒々しい形状。海上にあぐらをかく、無骨者の様相だ。今日は爽やかな空のもとに、穏やかな表情だが、ひとたび怒りだせば広範に火山灰や噴石をまき散らす、気むずかしい山でもある。

 

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