#081

  全長わずか6.6kmの三木鉄道。その終点である三木駅は、唯一社員・係員が常駐する駅であった。ホームを離れる1両のワンマン列車。駅員がそれを見送るこのシーンは、少人数で切り盛りするローカル線を支える「人」の姿を目の当たりにする、数少ない機会でもあった。

  この見送りの儀式も、あと数日を残すのみとなった。この路線の廃止に至る経緯はめまぐるしく、そしてあっけなかった。この線路の上を二度と列車が通らなくなる日は、日暮れとともにまた近づく。最後まで無事で・・月並みだが、背中に向けてそう語りたくなる。

 

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